全力疾走、ときどき爆睡。

報道記者/NPO法人maggie's tokyo共同代表・鈴木美穂のブログ。あれもこれも追いかけて、きょうも猪突猛進進進!!

人生最後の「感謝の会開催のご案内」について、思うこと。

コマツ元社長の安崎さんがおとといの日経朝刊に掲載した広告。

 f:id:suzukimiho:20171122114442j:image

新聞の「お別れの会」のご案内がよく掲載されている場所に、自身の「感謝の会開催のご案内」を出されていました。
その中で、胆道、肝臓、肺にも転移した胆嚢がんが見つかり、元気なうちにお世話になった感謝の気持ちを伝えたい…と説明されていて、(QOL向上のためにも緩和ケアは受けてもらいたいなと思いつつ、治療方針については別として、)お気持ちがすごくよく分かると思うと同時に、9年ほど前のある日のことを鮮明に思い出しました。

 

2008年、ステージIIIの乳がんを告知されて、転移はリンパ節までだったものの、抗がん剤治療中に高熱を出したことをきっかけに心身ともに弱りまくって、ああ、もう私の人生も残り少ないと“自分なりに”覚悟したときのこと。

これまでの人生でお世話になった大好きな人たちにもう二度と会えないままこの世を去らなくてはならないんだと思ったら辛すぎて、それなら最後に一度だけでも会いたい、出会えてよかった、ありがとうって言いたい…と、安崎さんのように公に告知したり、ホテルで開催したりという豪勢なものでは全くないけれど、ささやかなパーティーを自宅で開きました。

「がんになり、闘病しているけれども体調が芳しくなく、もう二度と会えないかもしれないから、最後に会いたい」と突然連絡がきた友達はどんなに驚いたことか。

急な思いつきの連絡だったにも関わらず、わざわざ遠方から駆けつけてくれた人たちもいて、その時に来てくれたみんなの顔は一生忘れません。
ただ、安崎さんのご案内のような「感謝の会」を開催するだけの力量は24歳の私にはなく、いざ気の知れた旧友に会ったら「なんで死ななくちゃいけないの!」「死にたくない」と泣きじゃくってより心配と迷惑をかけてしまった記憶も残っていて、申し訳ない気持ちも、いっぱいです。

そして、なによりも「最後だと思うから…」と言って呼びつけておいて、その半年後に仕事に復帰し、9年以上経った今、何事もなかったかのようにピンピンしている私…
とてもありがたいことですが、来てくれたみんな、ごめんなさい!

今振り返ると、あのときはただ治療が大変だっただけで、余命幾ばくもない状態ではなかったわけで、無知って、恐ろしくて、恥ずかしいです。

 

でも、突然亡くなる病気や事故や震災で亡くなるときには実現できないものだけれど、もし、がんのように「最後のときがある程度予測できる病気」で死ぬことになる場合には、きっと、私もまた、これまでお世話になった人みんなに最後に会いたくなるんだろうな。

会って、全力でありがとうと感謝を伝えてから、死にたい。

どれだけ先になるかわかりませんが、24歳のときの反省を活かしてもうちょっと心配と迷惑をかけないように気をつけるので、そのときは懲りずに最後のワガママだと思ってお付き合いいただけたら嬉しいです。

 

それよりも前に、この週末、来年秋に挙げようと思っている結婚式に呼ぶ人リストをまずつくり始めたら、「これまでの人生でお世話になった人に集まってもらって感謝を伝える会」という意味ではなんだか近いものがある気がします。
ひとりひとりの名前を書き出すと同時に思い出と感謝の気持ちが溢れてきてしまい、なんだか全然先に進まないけれど…

結婚式は、「これから共に歩んでいくことを決めた人と共に開催できる最初で最大の感謝の会」だと思うと、すごく大切で貴重な機会だなって思って、その準備ができるというだけで感動的で、リストをつくっていても、式場見学に行っても、何度も泣きそうになっています…
というか、すでに、下見先で何度か号泣してしまい、ビックリされています。

でも、すでに、そのくらいの深さで、感謝しています。

 

余談ですが、きょう眞子さまと小室さんの結婚式の日程がわかりニュースになりましたが、こんなに喜んでいる人はいないと思うくらい、嬉しいです。

だって万が一日程が重なってしまったら同僚が誰も来られなくなると思い、眞子さまの結婚式がありえそうな日取りを外すと選択肢がかなり狭まっていたので!

これで自由に選ぶことができるなぁって、勝手に嬉しいのです。